海の伝道師育成塾の塾生たちが最初に向かったのは、大分市の「南蛮BVNGO交流館」。大友家の館跡に新しくできた施設です。大分市教育委員会文化財課の五十川(いそがわ)さんが出迎えてくれました。大友宗麟が南蛮貿易を推進したおかげで、豊後(大分)はたいへん栄えました。大分から海外へ、硫黄、銀、銅などが輸出され、外国から大分には、砂糖、硝石、壺などが輸入されました。南蛮BVNGO交流館のビデオルームの入り口には、美しい緑色を残した当時の壺(レプリカではなく本物)が飾られています。海外からの人の出入りが多かったことから、大分はまた、西洋医学発祥の地(日本初の病院建設)、ボランティア発祥の地、西洋音楽発祥の地(西洋の音楽に合わせて子どもたちが歌ったのは初めて)という、誇れる歴史を持っています。
五十川さんは続いて、発掘現場へ連れて行ってくれました。交流館から歩いて数分のところに、おびただしいかわらけが地表に現れている場所があります。儀礼で使われたかわらけは使い捨てで、どうやらここは、かわらけの捨て場所のようです。ここからは、鯛の骨も出てきました。水辺が近かった大分市、当時も魚をたくさん食べていたのでしょう。一方で、雨による川の氾濫もありましたが、流れ込んだ水が庭の池に流れ込むように地形が少し傾斜していることも教えてもらいました。塾生たちは竹べらを使い、丁寧に掘り進め、それぞれが数枚のかわらけやかけらを掘り出すことに成功しました。
戦国時代に物流の拠点だった大分市は現在も、特に東南アジアとの貿易量は群を抜いてトップの大分港を持っています。”海がつないでくれる海からの恵み”は、脈々と受け継がれています。
イベント名 | 大海原の王 大友宗麟プロジェクトVol.3 海の伝道師 育成塾 |
日程 | 8月18日(日) |
場所 | 南蛮BVNGO交流館 |