海の伝道師育成塾、2日目はアカニシ貝を使った染色体験です。アカニシ貝は中津干潟に生息する巻貝で、悪鬼貝(アッキガイ)という怖そうな名前のグループに属しています。詳しいお話を大分大学の都甲先生がしてくれました。
アカニシ貝を使った染色では、貝紫と呼ばれる美しい紫色の染め物ができます。でも、日本には貝紫の歴史資料がほとんど残っていません。吉野ヶ里遺跡から、貝紫で染められた布の切れ端が出てきたそうですが、詳しいことはわかっていません。貝を使った紫は、古代エジプトのクレオパトラやシーザーが愛した色だそうです。
さっそく染色に挑戦です。水辺に遊ぶ会の山守さんが貝から身を取り出し、パープル腺を分離しました。アカニシ貝には、パープル(紫)の語源となったパープル腺という部位があるのです。パープル腺は黄色い色をしていて、見た目は少し気持ちわるいのですが、ここから美しい紫色が作れるのだそうです。海の不思議、昔の人はよくぞ発見しましたね!
パープル腺を太陽の光に当てると紫色の染料になります。でもこの染料を布に付けてもうまく染まりません。染料と還元剤と呼ばれる薬、適量の水をを鍋に入れると黄色い染料液ができます。
塾生たちは木綿のハンカチを好きな形に絞って輪ゴムでまとめ、染め物の柄ができるように準備しました。各々が好きなように輪ゴムで縛り終えると、それらを黄色い液体に入れ80〜90度で煮ます。この時、光が入らないように鍋に覆いをします。この段階で光を当てないのは、当てると紫が青に化学変化してしまうからだそうです。
しばらくして黄色く染まったハンカチを引き上げ、輪ゴムをほどくと空気に触れて酸化して、みるみる紫が出てきました!
塾生たちのオリジナルハンカチ。水道水で洗って干すと、きれいな紫色が風にたなびきました。
イベント名 | おおいた海の伝道師育成塾 |
参加人数 | 小学5・6年生18名 |
日程 | 8月7・8日 |
場所 | 大分県中津市 |
主催 | 海と日本プロジェクトin大分県 事務局 |