大分市の水族館「うみたまご」は、特色のある取り組みで人と海の生き物のふれあいを大事にしています。アザラシ、トド、セイウチなどのショーに加え、人とイルカが至近距離で触れ合える「あそびーち」はその中でも特長的な施設です。とても浅い瀬になっていて、小さなお子さんも安心してイルカと友達になれ、ペンギンの散歩に遭遇するサプライズもあります。
ショーのスケジュールは決まっていますが、飼育員は動物と自身のタイミングでトレーニングを始めることが許されていて、お客さんはのびのびと練習する姿を観察することができます。また、うみたまごには、日本ではここだけで飼育されている珍しいハセイルカがおり、間近で見ることができます。2頭はどちらも漁師の網にかかり1頭は瀕死の状態で保護されたのですが、飼育員の献身的な努力で元気を取り戻しました。(「ハセイルカのハルカが泳いだ日」という絵本にもなりました)
ところで、水族館うみたまごも今年はコロナウイルスによる緊急事態宣言で一時、休園となりました。
ならば、この時にしかできないことをやろうと、スタッフは新たな飼育コーナーを作ったり、飾り付けをしたり、気になっていた箇所や、時間をかけなくてはできないことに、本腰を入れて取り組みました。少しずつお客さんが戻ってきている今、休園中の手入れが奏功し、新たな魅力を発信する施設となっています。そして、安心して観察や体験ができるよう、サーモグラフィーによる検温、マスクの着用、消毒、三密回避など、万全の感染対策を敷いています。
田中館長は「実際に生きた動物たちと触れ合い経験する機会」が子どもたちには必要だと考え、これからも知恵と工夫を凝らしていきたいとお話してくれました。