佐伯市の株式会社山忠は、環境に配慮したひじきをはじめとする海藻の加工食品の生産を行っています。
ひじきの加工品では日本のトップシェアを誇り、全国に出荷しているそうです。
ひじきの生産にも取り組み、養殖場は、大分県内および長崎県、山口県などにあります。ひじきの養殖を行うことで藻場の再生や、魚の新しいすみかとして、海の浄化に役立っています。
ひじきは、漁師さんが刈り取り天日干しをした後、工場に運び込まれます。それらを水洗いし、蒸し煮。大釜で炊く工場が多い中、ここではひじきがつぶれないように、また必要以上に熱がかからないように、平たいベルトコンベアで360度、熱を加えています。そして流れのままいっきに乾燥に入るため、雑菌の繁殖を防ぐことができるそうです。
乾燥されたひじきは次に、異物選別ラインに入り、ふるいにかけられます(この段階で落ちたひじきは、農業用に使われるそうです)。静電気や、カメラとエアガンを連動させた異物撃ち落としマシンなど、驚くような技術が選別に導入されていました。最後は人の目でチェックです。手間暇かけてようやく出荷できるまでに洗練されたひじきは、包装され、箱詰めされます。山忠さんのひじきは、とても評価が高く、東京の高級料亭をはじめ全国に出荷されています。毎日5〜6トンの天日干ししたひじきが、このような過程を経て商品化されているのです。
山忠の山城達郎常務は、より安全で、より健康的な海のものをもっと食べよう、を合言葉に、日本独自の海藻食文化を大切にしていきたいと語ってくれました。
加工の段階で出る廃水は、バクテリアに食べさせてきれいにするなど、廃水処理もしっかり管理されています。
動力には、自然にやさしいLPガスを採用し、随所に環境への思いやりがあふれる加工場でした。
工業を見学した後、ひじきの残りかすを使って餌を作り、ヒラメなどを養殖している河内水産に向かいました。ペレット状に加工された餌をまくと、ヒラメが水しぶきを上げて集まり、餌をひとのみします。これまで廃棄していたひじきのかすを使うことで山忠さんはごみを減らすことができ、河内さんは、ミネラルたっぷりの餌で魚の生育を良くすることができたと、互いのメリットを感じています。河内水産さんは今後、ブランドヒラメとして売り出すことを視野に入れているそうです。ひじきを食べた美味しいヒラメが食卓に上る日も遠くないことでしょう。
養殖場のまわりの海には、餌の養分が溶け出すことによる藻場の再生が見られました。自然の循環、ひじきの底力を見るようです。
こちらでもひじきや海藻のおいしいメニューを紹介しています!
是非お試しください。
イベント名 | 日本の海藻食文化を大切にしたい(株)山忠の取り組み紹介 |