女子高生ライフセーバー柚野遥音(大分西2年)さんは、大分市の田の浦ビーチで監視業務に携わっています。高校1年時にベーシック・サーフライフセーバーの資格を取得し「認定ライフセーバー」となりました。「日焼けが気になります」と悩む姿は普通の女子高生と変わりませんが、トレーニングでは社会人や大学生、高校生の男子と一緒に救命救助に取り組んでいます。「自分より大きな人を持ち上げたり、(救助器具の)レスキューチューブを巻いて引っ張って泳ぐのは大変だけど、溺れるのは子どもだけではないので」と、万が一のときに備えて体力をつけ、救助技術を学んでいます。
遥音さんがライフセービングをはじめたのは、父や兄がライフセーバーだったこともあり、小学3年生の頃から大分市ライフセービングクラブのジュニアクラブの一員として活動していました。当時は海で遊ぶことが楽しくて続けていましたが、中学のときに兄を亡くしたことを機にライフセービングへの向き合い方が変わったと言います。事故が発生してからの対処するのではなく、「事故は未然に防ぐことができる」と強く思うようになったそうです。それはライフセービングに通じることでもあり、今もビーチや水辺の監視業務を行う際は、危ない箇所を周知し、声掛けすることを心がけています。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにレジャープールの営業休止が増え、多くの方が海に訪れています。柚野さんは「海は楽しいところですが、気象によって風が強くなったり、潮の流れが変わり危険なこともあります。それらを理解して、一人ひとりがルールを守って海を楽しんでほしい」と呼びかけています。柚野さんは溺れている人を助けるのではなく、苦しい思いをしないように事故を未然に防げるライフセーバーを目指しています。