レポート
2018.08.15

アワビの学校

廃校を利用したアワビの養殖

  1. 廃校舎を利用してアワビを養殖
  2. かつての教室にはタライがずらり
  3. ろ過したきれいな海水をかけ流し、アワビを育てます

平成20年に惜しまれながら閉校した、海に面した臼杵市立深江小・中学校を利用し、閉校の翌年からアワビの養殖をしている磯端会議は、別名『アワビの学校』と呼ばれています。黒板が残るかつての教室には、机ならぬタライがずらり。現実離れした様子に、最初はキツネにつままれたような感覚におちいります。以前は子供たちの笑い声が響いていた教室のタライには、今はそれぞれ50〜60個のアワビが入っています。およそ5cmのサイズまで育つのに約2年かかるとのこと。サイズが大きくなるにつれ、個数を減らして調整。10cmほどのサイズは、3〜4年かかるのだそうです。

現在は安定しているアワビの養殖ですが、始めた当初は失敗を繰り返したとセンター長の伊東貴寛さんは振り返ります。泥水が入り、多くをだめにしてしまったことも。そこで学校の前に4mの穴を掘り、海水を汲み出しました。土中を経由した海水は菌などをろ過し、アワビの生育にとても適していたのです。アワビの養殖は全国的にも珍しく、水産資源保護の禁漁期でも、美味しいアワビが食べられると他県からも注文が相次ぎます。伊東さんは、温暖化による漁獲量の減少を肌で感じており、日本の食文化を維持するために、手間はかかりますが、アワビの養殖を続ける意義を感じています。また、地域活性化のため、地引網や大漁祭、冬には海辺で打ち上げる花火などの行事を手伝い、地元の方々との交流を大切にしています。

イベント詳細

イベント名アワビの学校(磯端会議)
場所臼杵市深江
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