7月になり、カブトガニの産卵もピークになっています。満潮の日に波打ち際の砂浜を見ていると、つがいになったカブトガニが泳いでくるのが見えます。前がメス、後ろがオスです。メスは砂浜に脚で穴を掘り、2ミリほどの卵を500個くらい産みます。潮が引くまで何カ所かに卵を産みつけ、引き潮にのって沖へと帰っていきますが、潮に乗り遅れて帰れなくなったカブトガニを干潟で時々見ることができます。
カブトガニが卵を産む時には、水面に泡の丸い輪ができます。この輪が見えると、カブトガニの姿が見えなくても産卵していることがとわかります。
山国川は、耶馬日田英彦山国定公園から中津干潟へと流れこむ川です。源流から海まで、大河の流域全体がひとつの市に入ってしまうというのは、よそではなかなかありません。この山国川が上流の山々から運んだ水と土砂と森の栄養によって中津干潟の豊かさが支えられています。森と川と海は「水」でつながっているのです。
川や水辺での水遊びが楽しい季節ですが、出かける際にはライフジャケットを着用することをおすすめします。水の事故から子どもたちの生命を守るために、是非とも習慣づけてもらいたいと思っています。また、頭を守るための帽子も大切です。
子どもたちが川遊びをしている場所から少し下流、山国川の河口にハマボウが咲いていました。少し前のこのコラムでも触れましたが、初夏に河口や海浜で黄色いきれいな花を咲かせる低木です。黄色い花がたくさん咲いている様子は、夏を感じさせる風景です。
NPO法人 水辺に遊ぶ会 足利由紀子
イベント名 | 山国川生物観察会 |