楽しい海苔巻き
中津干潟の表面には、小さな巻き貝が無数にいます。
とんがったの、丸いの、いぼいぼの・・・。昔の人たちは、この巻き貝を「タバコニシ」と呼び、持ち帰って塩でゆでて食べていたそうです。なぜ「タバコニシ」と呼ばれたかというと、貝の内臓のピリッと辛いところがタバコの味に似ているからだそうです。おいしい食べ物がたくさんある今の時代に、わざわざ小さな貝を食べる人はあまりいませんが、時々懐かしがって海にやって来るお年寄りをたまに見かけます。
9月に入り、ひがたらぼの沖を見ると、小さな船がせわしなく行き来し、干潟のあちこちに棒がにょきにょき立つようになりました。「海苔漁」の準備が始まったのです。海苔は冷たい冬の海で育つ植物です。10月になると、棒に色鮮やかな網が張られ、海苔の赤ちゃんが網の上で育ち始めます。昔は豊前海の至る所で行われていた海苔養殖ですが、最近はめっきり減ってしまいました。でも、中津干潟では10人ほどの漁師さんが頑張っておいしい海苔を作っています。水辺に遊ぶ会では、中津干潟の栄養たっぷりの海苔を使い、毎年海苔巻き教室を行っています。でも普通の海苔巻きじゃつまらないので、海の生きもののもようの海苔巻き作っちゃいました。ただ今参加者募集中です。
カブトガニの赤ちゃんたちはどうしているのでしょう? くるくる回る卵からかえった赤ちゃんたちは、波に乗って干潟に到着し、泥の中にもぐり込んで安心しているところでしょうか。来年の春には初めての脱皮を行い、8mmくらいの大きさになります。そして、泥の中のエサをもりもり食べてどんどん脱皮を繰り返し大きくなります。大きくなったブトガニたちに会いに、来年も中津干潟に遊びに来てくださいね。
NPO法人 水辺に遊ぶ会 足利由紀子
イベント名 | 中津干潟の美味しい話 |