国東市の羽田海岸は、アカウミガメの産卵地です。といっても長らく産卵に訪れることはありませんでした。地元の人たちが毎年、海岸をきれいに掃除。その甲斐あって、数年前から戻ってくるようになったのです。まだ隔年の産卵など周期は安定していませんが、徐々に定着している手応えを感じています。この活動の趣旨を次世代を担う子どもたちに伝え、継続してほしいとの願いをこめ、国東市立富来小学校の6年生のクラスで特別授業が行われました。
講師は、特定非営利活動法人『国東市手と手とまちづくりたい』副理事長の海原明子さん。海のごみに関する資料とビデオの映像を見ながら、海の環境について説明しました。現在、地球規模で問題になっているマイクロプラスチック。マイクロプラスチックは、海を浮遊するあいだに有害物質を吸着し、これを魚が食べ、やがては人間の口にも入ります。自分たちが捨てたごみが有害物質を含んだ上、ぐるっとまわって自分たちの口に入ってくることに、子どもたちは少なからず衝撃を受けたようでした。
ビデオの後半では、アカウミガメの映像が映し出されました。生まれたての5cmほどの子ガメが一生懸命に波打ち際を目指す姿はとても感動的でした。ビデオを見終わったあと子どもたちからは、「卵はどのぐらいの深さに産むんですか?」「卵は全部ふ化するんですか?」「このままでいくと、魚より海のごみが多くなることにびっくりしました」など、さまざまな質問や意見が出されました。
教室での環境学習が終わると、目の前の羽田海岸まで歩き、慣れ親しんだ海岸の清掃に着手しました。実は数日前に海原さんたちが清掃をしてくれていたので、ごみはあまりありませんでした。それでも、小さな漁具のかけらや砕けた発泡スチロールなど、風や波に乗ってたどり着いたマイクロプラスチックの元となるごみがあちこちで回収されました。
羽田海岸の砂にどの程度のマイクロプラスチックが含まれるか、海岸の上層部の砂をすくい、ふるいにかけて調べる体験もしました。貝のカケラの中に、疑わしきものが紛れており、海原さんたちがこれから調べるということでした。
今回の特別授業で、熱心に耳を傾け、講師やビデオから目を離す子どもがいなかったことに、海原さんは感激したそうです。
これからも、海を大切にする気持ちを忘れず、積極的に活動に取り組んでくれることでしょう!
イベント名 | 海ごみ問題を考える特別授業 |
参加人数 | 国東市立富来小学校6年生19名 NPO法人国東市手と手とまちづくりたい7名 |
日程 | 6月5日(水) |
場所 | 国東市立富来小学校 羽田海岸 |
協力 | 特定非営利活動法人 国東市手と手とまちづくりたい |