南蛮BVNGO交流館を発ち、塾生たちは次なる研修場所、佐伯市蒲江の丸二水産に向かいました。到着するやいなや、鮮やかなエプロンドレスと不思議な帽子をかぶったマーコ姉さんこと橋本さん。そして海賊のかっこうをした自称、蒲江のジャック・スパロウさんが出迎えてくれました! まずはライフジャケットを着用し、橋本さんのあとに続いて桟橋のようないかだの上を歩きます。停泊していた船に乗り込むと、海について話を聞かせてくれました。浜買い人として、また以前は女性では珍しい定置網の親方だった橋本さんは、50年に渡って海と関わってきました。昔と今で、大きく変わったことのひとつは海の深さ。以前は35mほどあった水深が、現在は25mほどに。10mは、ヘドロなどで埋まってしまったそうです。海藻の減少も挙げました。海藻は、真夏に海水温が上がりすぎないように日よけになり、光合成で酸素を供給してくれる重要な存在です。その海藻が減ってきたことで、海の環境は大きく変わりました。魚の漁獲量は減少し続け、魚の”季節”が変化してしまいました。塾生のひとりが「まるっきり獲れなくなったものはありますか?」と質問すると、「いい質問やね」と前置きした上で、二枚貝のバカガイ、イタヤガイがまったく獲れなくなったと、悲しげな表情を浮かべました。橋本さんたちは、海を浄化してくれるアサリが育つ砂浜を作り、昔のような海を取り戻そうと活動中です。考えさせられるお話に、一生懸命にメモを取る塾生たちでした。
勉強のあとは、ドーナツ作りにチャレンジです。この地域で”ハバ”と呼ばれるわかめの一種を混ぜ込んだ生地でドーナツを作るのです。ねじったり丸めたり、思い思いの形に仕上げました。揚げてもらっている間に、「海の伝道師新聞」を作るための情報整理です。夕日が水面にキラキラと反射するゆるやかな時間に、まとめはとてもはかどったようでした。夕食時、自分たちで作ったドーナツをいただきました。ほのかに海の香りがする、とても美味しいドーナツに仕上がりました。
イベント名 | 大海原の王 大友宗麟プロジェクトVol.3 海の伝道師 育成塾 |
日程 | 8月18日(日) |
場所 | 蒲江:丸二水産 |