海の伝道師への道、最後の研修先は、佐伯市米水津のブリの養殖場です。生産漁業組合の小野さんと佐藤さんが、ブリの養殖について教えてくれました。海について勉強を重ねてきた塾生からは、「ブリは卵からふ化させているのですか?」と、さすが的を得た質問が出ました。実は、ブリはまだ、人工ふ化ができていません。沖へ行き、ブリの赤ちゃんを獲ってきて、育てているのです。ここのいけすでは、50gの稚魚から5kgぐらいまで育て、出荷しています。山に囲まれたリアス式海岸の米水津の海は、穏やかで安定しているため、養殖に向いているのだそうです。おかげでブリの養殖量ランキングで、大分県は全国2位を誇っています。
養殖場を見学するため、分かれて乗船し、沖に向かいました。ブイで囲まれた四角いいけすがあちこちに見えてきます。岸に近いところには、300g程度のブリの子ども(モジャコ)がいます。少し大きく(ハマチに)なると、大人のいけすに移動です。移動はいけすごと、船で引っ張っていくのだそうです。大きいいけすでは、出荷できる4.5kg以上まで育て、いよいよブリと呼ばれるようになります。10月からがブリの出荷のシーズン。年末は脂が乗り、5.5kgから6kgほどに肥り、一番美味しい季節を迎えます。組合の皆さんは、ブリの美味しさのために餌にも気を配り、出荷前には餌の内容を変えるなど工夫をしています。いけすに向かって勢いよく餌が噴射されると、激しい水しぶきをあげてブリたちが群がりました。ひとつのいけすには、3,000〜3,200尾が入っているそうです。力強い海の生命力を感じる瞬間でした。
下船後は、隣接する水産物加工処理施設を見学させてもらいました。水揚げされたブリは、その日のうちに加工され、その日のうちに出荷されます。さばいて内臓を出し、パッキングするまで1分ほど。素早い加工で新鮮さを閉じ込め、各地の食卓やお店に、美味しい米水津のブリを届けています。
イベント名 | 大海原の王 大友宗麟プロジェクトVol.3 海の伝道師 育成塾 |
日程 | 8月19日(月) |
場所 | 佐伯市米水津港 |
主催 | 海と日本プロジェクトin大分県 事務局 |