まずは大分県漁港中津支店で「中津干潟」と「中津の海の恵み」について学びました。お話をしてくれたのは、中津干潟を研究し、守る活動をしているNPO法人「水辺に遊ぶ会」の山守さん。干潟とは1日に2回、満ちると海になり、干潮のときは陸地になる浅い海のこと。中津干潟は山国川がすぐ近くになり、川から流れ込む栄養がたいへん豊富で、大小さまざまな生き物が暮らしています。
山守さんは、干潟のアイドル、カブトガニの標本を2つ見せてくれました。大きい方がメス、小さいほうがオス、見分け方は、頭部の形の違い。オスは前頭部が台形に凹んでいて、メスとつがいになるときに便利な形になっていると教えてくれました。また、扇子ほどの大きさがあるタイラギ貝も見せてくれました。貝柱が美味しいそうです。こんなに大きいのは、栄養豊富な中津干潟ならでは。絶滅危惧種のハマグリも、豊前(中津含む)地域ではまだ取れているそうです。
ただ、温暖化や海ごみなど環境の変化によって、生き物の数が減少している現実も。このままだと絶滅の危機があることも学びました。
延々と広がる干潟。不用意に入ると足が抜けなくなってしまうそうです。ごろんとした小岩の道を使い、沖まで行って観察しました。注意しながら見ていくと、小さなカブトガニが見つかりました!もちろん生きているカブトガニです。カブトガニは脱皮を繰り返しながら大きくなり、ここで見つかった体の幅が5〜6cmほどのカブトガニは、おそらく7齢(7回脱皮)しているだろうとのことでした。別の場所でも歓声が上がります。もうひとまわり大きいカブトガニが見つかったようです。ハマグリを見つけたラッキーな塾生もいました。カニ、エビ、ヤドカリ、ほかにもたくさんの生き物がいます。そしてところどころに大きな浅い穴があり、アカエイの仕業だと聞いて、こんなところにもエイが来るんだ!と驚いていました。
エイの仲間の中には中津の海にいなかったナルトビエイもいます。
温暖化による海水温の上昇によって、姿を現すようになり、生態系に影響をもたらしているそうです。
干潟観察の途中では、落ちていたごみを拾うことどもたちの姿が見られました!
イベント名 | おおいた海の伝道師育成塾 |
参加人数 | 小学5・6年生18名 |
日程 | 8月7・8日 |
場所 | 大分県中津市 |
主催 | 海と日本プロジェクトin大分県 事務局 |